最初は気のせいだと思った。学校帰り。通学路にある公園。ここでよく暇をつぶしていた。天気が良い日は家にいるよりもここのほうが気持ちがいい。ベンチに座って友達とメールしてると時間がたつのを忘れる。ふと誰かに見られている気がして辺りを見回す。自分を見ている人なんて誰もいない。自意識過剰が恥ずかしくもあり可笑しくもあった。誰かが自分を見ている。それは楽しい想像だった。隣のクラスの男の子が突然飛び出して来て告白をする。ずっと見てました。恋愛に憧れる年頃の少女にありがちな妄想。ため息をつくと少女は立ち上がり帰路につく。人気の無い横道。突然男が飛び出してきて自分の肩を掴む。それは愛の告白ではなく劣情の衝動。